緘黙(かんもく)と対人不安・恐怖などとの関係

選択性緘黙(かんもく)(場面緘黙という症状がある。DSM-5(精神疾患の診断・ 統計マニュアル)によれば、選択性緘黙の特徴として「社会的交流の中で他者と接 する時、他者に話しかけられても、話し始めたり、相互に応答したりしない。子ども または成人との社会的交流における発語の欠如がみられる」と書かれている。

ちょっと分かりづらいので、かんもくネット(場面緘黙(選択性緘黙)の症状がある 子どもや大人、経験者、家族、教師、専門家が協力しあい、活発な情報交換と正しい 理解の促進をめざす、非営利の任意団体)によれば、「言葉を話したり理解する能力 はほぼ正常であるにもかかわらず、幼稚園・保育園や学校などの社会的な状況で声を 出したり話したりすることができない状態を言います」とある。

私がこの症状を知ったのは、今、在籍している大学院の精神医学での授業なのだが、先日友達に会った際に、 そのことを話していたら「かんもくネットという団体があるよ」と 教えてくれて、早速、かんもくネットのサイトを見てみた。

私は、自分の過去から現在を振り返った時に、自分にも同じような症状があるという ことに気づいたのだ。例えば、会社で働きはじめてから、電話を取るのがとても嫌で、 電話を取っても声が出ないときがある。どうやっても声が出ないことがある。別にわざ と声を出さないとかではないのだけど、周りの状況や環境によってそうなることがある。

20代後半の時、それで、クビになったこともあるのだ(笑)。電話を取ることが多い仕事で 「あいつは電話すら取れないんだ」と上司に嫌味を言われたりしたことは結構あるのだ。 隠さずに言うと、今でも、新しい職場や環境になった時には、まず電話を取ることが課題 なのだ。

皆さん、そんな場面を経験したことはないですか?学校や会社などで、声が出なかったり、 話せなかったり。でも自分を責める必要はないです。こうやって、症状として定義がされ てるし、話せないのは、あなたのせいではない。

じゃあ、何が原因なの?ということだけど、選択性緘黙や対人不安・恐怖は、医学的には、 ほとんど、いや全く、発症する原因などは解明されてない。私の考えからすると、強い不安 やそのような環境におかれたときに、話せなくなるのだと思う。